女神のささやかな願い / Merciful Goddesses of Retaliation その3

いきなり「その3」かよ、て感じです。

本殿の方に向かって歩きながら、タカナはタマキに問いかける。
「不況になると復讐したい人が増えて、参拝客が増えたりとかそういうことはありますか?」
「どうでしょうねえ。あんまり変わらないと思いますよ。景気がよい時も悪いときも、復讐欲は至る所で発生するものです」
とタマキは答える。
「あまり相関はないという印象ですか?」
「相関? 相関ですか。少なくとも強い相関はないと私は思いますよ」

タカナは何かタマキの言葉に少し引っかかったらしく、こんな質問をした。
「数学は好きですか?」
「数学? 数学ですか」
タマキはそんな質問を受けるとは思わなかったようで、クスクスと笑った。
「嫌いではありません。私は大学の教養レベルの数学しか理解できていませんから、苦手意識はありますね。線型代数の基礎や解析学の基礎を少々囓った程度です。数学が出来る人はその点において尊敬が出来ます」
タマキはタカナ問い返した?
「何故そんな質問をしようと思ったのですか?」
「言葉の使い方が知り合いの数学好きな人と似ているかな?と思ったのです」