女神のささやかな願い / Merciful Goddesses of Retaliation その11

タマキはタカナを外に送り届けた後、再びスズナのいる封印区画に戻ってきた。
スズナはタマキのちょっと困った顔を見て言った。
「タマキ、お帰りなさい」
「ただいま」
と残念そうにタマキは答えた。


スズナは「さっきの人が私の身代わり候補なわけね」と問う。
タマキは、いつも通りしっとりとした声で丁寧に答えた
「ええ、どうでしょう? なかなか可愛い女の子だと思いません? ストレートで艶やかな黒髪が綺麗でしょ。焦げ茶の瞳が澄んでいましたね。目元が涼しげでした。額が綺麗で印象的です。とても明晰そうですし。動きはしなやかで体に弾力がありそう敏捷性も高そうでしたね。腕や手や指も大変綺麗だった。それに、・・・」

「もういいから」
と言って、スズナはタマキの話を止めてクスクスと笑った。