女神のささやかな願い / Merciful Goddesses of Retaliation その19

24年前、スズナが9歳のころ。スズナは地下の存在を知り、地下に侵入する。当時は、エレベータもなく、150メートル以上の石階段を懐中電灯と白いウサギのぬいぐるみをもって下りていく。どのようなシステムかわからないが空気は循環しているし、湿度も温度も不快に感じるほどではない。地下のドーム上の空間で「神性を担うもの」であるタマキに出会う。本来、彼女に会えるのは、神職のみであり、それも一年に一度の短い時間だけである。長い時間接すると魅入られてしまうという言い伝えがあり神職以外が会うことは禁止されている。スズナはあってはいけないという禁忌を犯し、何度も、長時間、タマキと話すことになる。そして、四年後、スズナは両親を殺し、地下にもぐる。血に塗れた 白いウサギのぬいぐるみを手元に持って。そこでタマキと入れ替わることになる。封印システムの中で、神性を帯びると、通常の生命活動がストップする。老いもないし、病気もない。スズナは13歳の姿のまま20年を経る。