雑感489-2009.9.14「あまりにも内向きな博士課程定員削減議論」

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大学を出れば、学位をとれば、一生働く所が保証されると言うのは、男の人、日本の男の人だけに与えられた特権だったと思う。限られた人だけに与えられた特権だった。今、学識経験者達がしている議論は、そういう特権が自分たちにだけ与えられていて、他の人は、その特権はなかったということすらも気付かない人たちの議論であるような気がしてならない。

確かに。

研究は、職業のためにやるというより、誰もがやってみて面白い経験である。また、苦しい。私にとっても博士課程は苦しかった。しかし、研究がそういうものだと知ることもいい経験だったと思っている。

これも確かに。

読んでいて思ったこと。

  • 博士課程の増員を目指したのは誰?それは意図があったんでしょ?博士課程の学生というものは、大学にとって商品みたいなものでしょ? 自分たちが育成した商品にもし自信があるのなら、きちんとその商品の良さを説明しないといけないでしょ?商品に価値があると思うなら、これから宣伝して売り込まないといけないでしょ?
  • 売り込むことは、学生が自主的にやればいいと思っているかもしれないね。まあ、私も半分くらいはそう思う。
  • 何らかの謳い文句で学生を集めておいていざとなったら就職先がないというのに責任を感じないのかな?
  • 大学がある程度の規模やアクティビティを保つためには学生が必要で、そのためには持続的に学生に入学してもらわないといけない。そのためには、ドクターを持った人達の多くが、その選択肢を選んだことを価値があると思わないと駄目だと思う。そのためには、どうすればいいと思う?
  • まあ、作った商品の多くが失敗作とか欠陥商品だと思っているのなら、自主回収とか生産削減や中止みたいな後ろ向きなことをしないといけないかもしれませんね。時代や社会とマッチしなかったとと言う言い訳をしてもいいですが。
  • 行き当たりばったりにしか考えられないような人達・システムに対して過度な期待をするのがそもそも間違いなのだとはわかってはいますが。
  • 個々の大学の先生達を詰(なじ)っても、仕方がないことだと思う。ただ、大学の先生達はきちんと今のシステムがどうなっているかを学生に言うべきだとは思う。
  • 個々の先生が出来ることは限られている。教育で出来る事なんて限られている。背中を見せること、くらいか。
  • 私自身は、博士課程に進んだこと自体は面白い選択だったとは思う。