夏休み自由研究「たけのこの里の並び方」

注意:多少物理学的に間違いがありますが、なんとなくということで。
「キノコの山のオーダー(秩序)に関する研究」http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20100727/p2のある意味続編です。



同じ方向に向きたがるたけのこさん達もいますが、お互いに逆を向きたがるたけのこさんもいます。三角形で並んでいると全てを満足するような形に並べることはできません。いわゆる三角関係が生じてしまうのです。このような状況をフラストレーションがある、と専門用語でいいます。


何で、たけのこさん達は反対向きたがるのかな?みんなと同じ方向を向けばいいのにね。でも、たけのこさん達にはたけのこさん達なりに反対を向きたがる理由があるんじゃないのかな?

たけのこさんたちが同じ方向を向いたり、逆方向を向いたりする性質は、交換相互作用という概念を用いて説明が出来ます。交換相互作用の理解のためには、量子力学の理解が必要になります。



それぞれが反対方向を向くことはできませんけど、120度ずれた形で向けば、(エネルギー的に)安定になります。まあ、妥協点を探すわけです。「本当はとなりの奴らとは反対を向きたいけど、それって事実上不可能だよな〜。諦めて、妥協点を探すかー」って感じです。この形を120度構造と呼びます。右回りと左回りの並び方があるようですね。

「エネルギーってなんですか?」という質問は、近くの物理学者さんに聞いてみてね。「エネルギーってやつは、とにかく保存したがるんだよ」とか「エネルギーが最小の状態を安定っていうらしいよ」とか、いろいろよからぬ事を教えてくれるはずです。町で物理学者や、物理学科の学生を見つけても石を投げつけたりしないであげて下さいね。




たくさんたけのこさんが並んでいますね。三角形が規則正しく並んでいます。このように、正三角形で構成されている構造を三角格子と呼びます。このたけのこさん達は仲良く同じ方向を向いていますね。この子たちにはフラストレーションはないようです。すくすく育って欲しいですね。



お互いに逆方向を向きたがるたけのこさん達で三角格子が形成されています。先ほど見せたように120度構造ならエネルギーが低い状態になるようです。

でも、ちょっと考えてみて?隣接するスピンたけのこさん同士が120度傾いて並ぶ方法ってこれだけかな?別の並べ方でもありそうだよね。同じ程度、安定な状態が無数にあります。このような状況を縮退していると言います。



正六角形と正三角形で構成されるカゴメ格子もフラストレーションを持つ形として有名です。


フラストレーションはありませんが、正六角形で構成される蜂の巣格子(honeycomb lattice)も面白い性質があるのではないかと予想されています。


なんかもうわけがわかんなくなってきましたが、こんな並び方をしたたけのこさん達が面白い性質を示すことがあります。このような構造をしていると、自発的対称性の破れという興味深い現象が生じる可能性があるのですが、それについては近くにいる量士スピンタケノコ系の研究者に聞いて下さい。・・・もう絶滅危惧種かもしれません。町で見つけたら(略)。


これは、正方格子上にならんだたけのこさん達です。縦方向には同じ方向にそろって、横方向だと互いに逆向きに向きます。働く相互作用の符合によって、いろいろな並び方がありえるんですね。なんだかとっても勉強になった気がします。詳しいことは、天然記念物認定されている物理(略)。



研究の感想
なんかきのこの山はチョコじゃない部分を持てば良かったんだけど、たけのこの里はチョコ部分を持たざる得ないので、夏場は手がべとべとになります。ちょっと配慮が足りなかったかもしれません。三角格子で120度構造をしている写真は、撮影時にたけのこの里の並び方を間違ってしまったので、画像を修正してあります。気がつきました?