博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)
- 作者: 榎木英介
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2010/11/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20101212/p1 の続き。
「第1章 博士崩壊」を読んで思ったこと
p.34に、「博士が100人いるむら」がでてきた。
p.43に民間企業からみた、博士号取得者・ポスドクの評価について書かれている。
「でもしか」タイプが多い(大学や研究機関でやっていけないから)
説明能力の欠如(専門外の人に対して)
柔軟性や適応性に難がある
忍耐力が欠如している
視野が狭い
専門分野に固執
- まあ、そういう側面もあるかもしれないけど、なんか酷い言われようだな。これらは、全部プラス面に変換した書き方ができると思うよ。
- そもそも博士である時点で、って「でもしか」じゃないだろって思う。説明能力の欠如と言うけど、説明するまともな内容すら持っていない人間よりましだろう。時間をかければ説明能力はだんだん向上するだろうし、その人が説明できなくても別の翻訳係がいればいい。柔軟過ぎたり、適応しすぎたりしても弊害があるだろう。博士をとるのに、忍耐が必要ではないと言うのか? または、つまんないことに我慢してばかりで本質的な解決策から逃避するより、忍耐が少なくとも有効な道を探す方が良いのでは? 時に視野を狭くして物事を深く深く考えていくことも必要でしょ。専門分野に固執した経験があるから、別の専門分野についてきちんと考える事ができるかもしれないよね。専門を学んだ事がない人は、一から教えなくちゃいけない。それには凄いコストがかかる。専門についてきちんと学ぶのはどれくらい大変かを分かっていないのだし。
- ・・・とまあ、深く考えないで書いちゃったけど、いろいろな側面があるよねって事が言いたかった分けですよ。
p.58に、ポスドク高齢化問題が載っている。うーん。
p.68あたりから、生物学系のポスドク問題。バイオ産業はあんまり増えないのに、学生ばっかり量産するから・・・。これもきっと人災なんだろうな。
「はじめに」を読んで、もっと前向きな話が出てくるのかと思ったら、現状の厳しさを目の当たりにする事になったのでした。