博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)
- 作者: 榎木英介
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2010/11/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20101220/p1 の続き。
書評と言うより感想。感想と言うより、インプレッションの羅列。
「第5章 博士が変える未来」について。
p.236
日本にもAAASのような分野横断的な科学者の自発的なNPOが必要ではないか。
- たしかにそうかも。
- p.237の図(と言うか表)を見ると必要性を感じる。
p.241
博士やポスドクはどういう力を持っているのか、放っておくと日本がどうなるのか、それを知ってもなお、科学などいらないと言うのなら、あきらめるしかない。
けれど、科学をどうするかを決める前に、科学の現状を知って欲しいという思いでこの本を書いた。多くの人達は、博士やポスドクの実態を知らない。知らないで意志決定はできないからだ。高学歴ワーキングプアと自己責任。何にも役立っていないという先入観。そんなあいまいなもので科学の未来をきめてもいいのか。
- まず知ることが大事か。ポスドク問題に関しては断片的にいろいろ調べてはいたけど、こういうまとまった本があることはとても役立つと思う。
- 関連して、『高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院』(水月昭道)という本がある。過去にも何回か言及したけど。
- 『高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院』(水月昭道) http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20080924/p26
- [リンク]「車中読書」 http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20071022/p1
- ワーキングプアの方は、文系出身博士が書いているから、理系ポスドク関連の話を考える時には、『博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか?』(榎木英介)の方が良い気がします。
- 4章、5章で前向きでかつ現実的にも可能な提言がたくさんあったと思う。もっと中身をつめていかないといけないものはたくさんあると思うけど、解決のための方向性は良い気がする。