『ダマシ×ダマシ』(森博嗣)

ダマシ×ダマシ (講談社ノベルス)

ダマシ×ダマシ (講談社ノベルス)

あんまりネタバレはないと思うけど、感想は折りたたんでおきます。

  • Xシリーズ完結。
  • 面白かった。あらためてXシリーズを読み返すべきかな。
  • 最初のころは新しいキャラになかなかなじめなかったのだけど、だんだんそのキャラを知ってきて読みやすくなってきたかな。
  • ただ、キャラクタを詳細に書きすぎてしまうと、物語が続けられなくなってしまうという趣旨のことを作者がどこかで言っていたように思う。Vシリーズが終わった後くらいだったかな?
  • S&MシリーズやVシリーズやGシリーズとクロスする作品だからXシリーズなのかなぁ、などと妄想したがたぶん違う。タイトルにXが入っているからなのでしょう。
  • いろいろ騙しがある作品で、そこが面白いかな。
  • 椙田と小川の会話は面白いですね。
  • 椙田泰男という名前に関して。名前の漢字が口の字で構成されているものが多いですね。日も田も口の組み合わせでできています。
  • 過去に別作品で出てきたキャラが、時間を置いて出てくると、間にどんな変遷があってこんな状況になったのかをいろいろ想像することができて、面白いですね。…っていうか、本作はすごいうまい、って思うのでした。
  • いや、まあ、メインキャラである小川令子、真鍋瞬一、永田絵里子の話でも十分に面白いんですよ。でも、ほかの過去作品に出てきたキャラの過去の話や現状を知っていると、より深く楽しめる気がするんですよね。仕掛けや工夫がとても面白い。
  • とは言え、ページを捲らせる力が何に由来するのかというと、それぞれのキャラの語りというか、物事を見る視点の面白さなのではないかと思う。新しさとか貴重さとかそういうの。
  • 「誰が犯人なんだろう?」って考えながら読んでしまう。「この人が犯人じゃないと良いなー」と思いながら読んでしまう。「でも客観的に言って、一番怪しいのは…」などと思ってしまう。
  • 小道具や何気ない会話が、物語全体のテーマなどと関係しているのが面白いな。
  • 本の感想ではないですが。最近本を読む時間が減っている気がする。面白い本を読むと、本を読む時間を増やしたいな〜と思うのでした。