[物性研談話会]中性子散乱と強磁場磁化測定で見る三角格子及び籠目格子反強磁性体の量子多体効果

http://www.issp.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/n1004_detail.cgi?c=conversation_association_table::545

日時: 2013年2月28日(木)  午後4:00〜午後5:00
場所: 物性研究所本館6階 大講義室(A632)
講師: 田中秀数
所属: 東京工業大学 物性物理学専攻
要旨: 東京大学物性研究所には,中性子科学研究施設と国際強磁場科学研究施設があり,一般の大学研究室では所持できない物性研究の強力な実験手段を供している。私も中性子散乱と強磁場磁化測定を共同利用や共同研究で行わせて頂き,その重要性を実感している。
フラストレーションの強い三角格子反強磁性体や籠目格子反強磁性体では,スピンが小さい場合に,基底状態と磁気励起に顕著な量子多体効果が現れる。これらの系では古典的状態に多数の縮退があるために,量子揺らぎのエネルギーが基底状態の決定に重要な役割をする。一般に量子揺らぎは磁場と共に増大し,量子揺らぎを原動力とする磁場中量子相転移も起こる。
本講演では,中性子散乱と強磁場磁化測定を通して得られた三角格子反強磁性体と籠目格子反強磁性体の量子多体効果について,以下の2点に重点を置き,お話ししたい。
(1)S=1/2籠目格子反強磁性体Rb2Cu3SnF12のsinglet基底状態とtriplet励起,及びCs2Cu3SnF12における磁気励起の負の量子再規格化。
(2)三角格子反強磁性体Ba3CoSb2O9とBa3NiSb2O9の磁場中量子相転移

こんなのやっていたんですね。