裁判所に行ってきたよ

5月*日に東京地方裁判所に行って、裁判を傍聴してきた。

裁判を傍聴するのは初めてで、いろいろ新鮮だった。
印象に残ったことをいくつか羅列しておこう。

最初に見に行ったのが殺人未遂・傷害致死・窃盗に関する裁判。裁判官3名+裁判員6名による裁判。何回か審理があって、今回が最後で、次に結審するらしい。
お昼を挟んで二番目は麻薬の裁判。結審で10分弱。判決を申し渡すところを見学できた。裁判官1名。
三番目が、交通事故の裁判。裁判官は一名。今回が初めてで、次に結審するっぽい。



最初の裁判だけ感想を。
重大な事件のせいか、傍聴する人が多く傍聴席はほとんど埋まっていた。私は初めてだったので、けっこう人がいると言うことに驚いた。言い方は悪いけど、一種の娯楽としての要素はあると思う。傍聴していて思った事ではあるが、確かに面白い。事件が起こってまったのは残念であるが、検察官と弁護人が論証していくプロセスはたいへん興味深い。

会場。検察官側と弁護人側の机に液晶ディスプレイがあった。また、それぞれの背後に大きな液晶ディスプレイがあり、傍聴人も見ることができる。

未遂の件。被害者が最初に語っていたけど、感情的な感じ。傷害致死の件。弁護人が親族の意見を読み上げていた。検察官の話は、理路整然としていて、なんだか凄い納得してしまう。話し方が凄いうまい。聞いていて、すっと頭に入ってくる話し方。

弁護人の話はプレゼンテーションソフトを使って写真や図を使って丁寧に反論している。検察官の話を聞いているときは、被告人は絶対悪いやつって思ってしまったが、弁護人の話を聞いていると、いろいろグレーゾーンがあるぞ?って思えてくる。

争点がいくつかあって。殺意があったか?というの。検察官の話を聞いているときは殺意があるものだと思ってたけど、弁護人の話を聞いていると、なんだか微妙に思えてくる。計画的な物ではないし、殺意を立証するのはなんだか大変みたいだ。

正当防衛・過剰防衛ではないか?という争点もあった。それぞれの定義がなされ、その定義にあうかどうか説明される。これも検察官の話を聞いているときは、「正当防衛・過剰防衛」じゃないだろう、と思っていたのだけど、弁護人の話を聞いていたら、そんな簡単に判断してはいけないかなぁって気持ちになってくる。もし被告人が心理的にすごい追い詰められた状況だとしたら?って考えてしまうと。

裁判の内容とは直接関係ないけど。貧困の問題はいろいろな場所で、いろいろな人が悲しい目にあうことになるなって思いながら聞いていた。

検察官の求刑についてもなかなか興味深い。刑の積算の仕方とか。

被告人の弁護人による弁護の話。現場の状況など、被害者や検察官が述べていたことを聞いていただけではわからなかった話題がいろいろ出てくる。…具体的に書くのはやめておくけど。

弁護人側は図を使って説明してくれるから分かり易い。医者の診断にも反論していて、その点は興味深かった。その反論を妥当と見なすかどうかは、裁判官と裁判員次第なんだなって思った。検察官が語ったストーリィが実は怪しい事が多いんだよ、って感じさせるには十分だったと思う。



さて、今回何故裁判を傍聴しようという事になったかと言うと。知り合いの弁護士の方が「大人の社会科見学」という名目で、裁判傍聴を企画し、私も誘ってくれたのでした。一人で傍聴しただけだとわからないことばかりだったと思うのだけど、傍聴前と後に解説してくれたので、聞いていただけではわからないことがいくつもわかって良かったのでした。

誘ってくれた弁護士の方には、この場でも感謝いたします。



裁判がこんなに面白いのなら、もっと若い頃に見に行けば良かった。大学生の頃に見に行っておけば良かったかも。

あと、行政がどのように機能しているかって、私はほとんど知らないなって思ったのでした。自治体の議会も傍聴してみると面白いのかもしれない。



裁判のエンターテインメント作品はいくつか見たことがある。
テレビドラマだと『アリー my Love』がけっこう面白かった。学部生〜院生の頃テレビで見たり、DVD借りたりした。これは恋愛が主軸かもしれないけど。
漫画だと『家栽の人』が面白かった。読んだのは中高生の頃かな。植物ネタが多かった気もする。今見たら、もうちょっと違う目で見れるかもしれない。
裁判ではないけど、漫画の『理不尽のみかた』では、検察審査会の事務員が主人公。これもなかなか面白かった。