神戸の4年間を振り返り思うところ(続)

http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20100331/p1の続きです。

思うところをいろいろ箇条書きにしてみよう。

  • 他人に文句は特にありません。ああすれば良いのにとか、こうすればよいのにとか些細なものはありますけど。他人の行いにより、私が精神的にとってもまいった、ってことはあまりなかったと思います。これは、ある意味、何者かに庇護されている、ということなのかもしれませんね。誰かが、嫌な思いを引き受けているのかもしれませんね。私は、そのような嫌なものを引き受けるだけの余裕を持つことが出来たでしょうか。他者の嫌な思いを引き受けられる余裕を今は持っていると言えるでしょうか。
  • お金に縛られるというのは、悲しいですね。お金がないと、自由がないということがよくわかりました。科研費があたらないかな。当たり前だけど、お金があってもきちんと頭を使って考えられないのはダメなんだな、って思いました。無駄がたくさんうまれるのに、その無駄が何で生じるのかを理解できなくなるのではないかと思いました。というか、非効率の存在自体を理解していないのではないかと思いました。
  • いろいろ落ち込むことは多いです。まあ、傍からみれば、落ち込みが足りないと思われているかもしれませんが。
  • 自分の能力や努力を考えれば、恵まれているといっても過言ではありません。
  • 一人だと、私はどうしようもなく暴走するようです。だから安全装置となる他者を必要とします。忘れないように。
  • 物理学とか科学とかは本当に面白いです。その周りに付随する雑用を全て笑い飛ばせるくらい。この面白いとか楽しいとか、そういう気持ちを忘れそうになることがあります。でも、それを忘れてはいけません。何かが分かって、新しい事を知って、嬉しい気持ちや楽しい気持ちをきちんと心に刻みつけておかなければいけません。本当に凄い印象的だったら、忘れないような気がしますけど、人はそういう思いも時に忘れてしまうことがあるようです。それは、とっても悲しい気持ちや辛い体験も減衰するという意味で悪いことばかりではありません。でも、なんとか思い出す仕組みを作っておかなければいけません。そういう喜びが世界に私をつなぎ止めておく糸の1つなのですから。
  • 今の気持ちはですね、なんかいろいろなことにケリをつけたいって思いでいっぱいです。中途半端な事が多くて、こういうのは心を苛みます。いつも集中できない。そういうのばっかり。〆切りが近づいたらちょっと仕事を進める、みたいな感じのことが多かった。そういうので反省することは多いです。
  • 研究って、自分の手や頭を動かしてやるから楽しいわけです。他人にいろいろさせるのは楽しいのかな?って思います。そういうのに楽しみや喜びを見出すというのもあるのかもしれませんが。だから、助教までくらいが一番楽しいのかな、って思いました。准教授や教授がやっている仕事の一部をみていると、なんか楽しそうには見えません。仕事というのは楽しむためにあるわけではない、のでしょうけどね。稼ぐために仕事をするわけであって、そのためにはつまらないこともしなくちゃいけないのでしょう。
  • 大学という教育研究期間は、ある種のフェアネスの元に運営されているので、これはとても居心地がよいものです。周りの人間にもよるものだとは思いますが。基本的に学問の前にはみな平等なわけですし。
  • 遊ぶために生きるのではなくて、生きるために生きるはずだったのに、やっぱり自分の気性は消せません。まあ、折り合いをつけていくしかないですね。
  • どんどん頭が硬くなってきている気がします。昔と比べて同じ時間学んでも学ぶ量が少ないし、すぐ忘れる。これは怖いです。怖くてたまりません。老いを怖がるのと一緒ですね。老いは、受け入れざる得ない事実なのでしょうけど。恐怖を自分を向上させるために使うこともできる、ともいいます。恐怖を飼い慣らして生きていくしかないですし。みんなどう折り合いをつけているのかな、って思います。忘却力が向上した、とか言ってもいいかもしれませんが。
  • くどいようですが、私は不可知論者というより無神論者です。でも、まあ、なんというか、たまに、気まぐれで「神様が殺してくれるまで生きてみるかな」って嘯いてみたりもします。
  • 人生は死ぬまでの暇つぶし、という説もあるし、今までなかなか面白いことで暇つぶしが出来たんじゃないかな、って思っても良いかもしれませんね。
  • 順調にキャリアを積んでいません。論文も少ししか書いていないし。知識は少しは増えたけど、そんなの微々たる量です。他者に評価されるような意味があるものを持っているとは思えません。
  • いろいろな人に投資されたのに、その想いを裏切るの?って思ったりもします。自分の過去の願いを裏切るの?って思ったりもします。・・・ごめんなさい、としか今の私は言えないかも。私はこんな不器用な人間なのです。分かっていて罪を犯す、確信犯かもしれませんね。でも、自分の気持ちって、私にとっては明瞭ではないかな。とにかく心の中を見渡すと、ぐうたらしたい、という思いで満たされている。そして、その想いが、他者には信じられないかもしれないけど、研究をしたい、ってことにつながっているのでした。