2009-04-06から1日間の記事一覧

おしゃべりの仕方

声の抑揚や高低、話の間、言葉の繰り返しや言い換え、隠喩、暗喩、直喩などなど。 話術にはいろいろな要素がある。 言葉の表面的な意味だけ取り出せば平凡でも、時にそれは人を喜ばせ、ひどく悲しませる。話術において、大事な事は相手の理解を測りつつ話す…

女神のささやかな願い / Merciful Goddesses of Retaliation その21

タマキは静かに想った。 「(スズナ。あなたが、自由になって、やっと、私は解放されるのだと思う。だから、自分の幸せを追うことを真剣に考えて欲しい。現状を肯定するのも、生き方の一つではあるかもしれないけど、それは現実から逃げているようにも見える…

女神のささやかな願い / Merciful Goddesses of Retaliation その20

入れ替わる前のタマキは入れ替わることをほとんど諦めかけていた。でも完全には諦めきれなかった。完全には諦められないということの意味が希望という言葉の意味なのかもしれない。タマキは、救われたかった。自由になりたい。解放されたい。愛されたい。誰…

女神のささやかな願い / Merciful Goddesses of Retaliation その19

24年前、スズナが9歳のころ。スズナは地下の存在を知り、地下に侵入する。当時は、エレベータもなく、150メートル以上の石階段を懐中電灯と白いウサギのぬいぐるみをもって下りていく。どのようなシステムかわからないが空気は循環しているし、湿度も温度も…

女神のささやかな願い / Merciful Goddesses of Retaliation その18

タマキは、地上へ向かいながらいろいろ思うのだった。 あの神性はあと100年もすればほぼ消滅するだろう。100年後に、彼女は解放されるだろう。知り合いなど誰もいない世界に放逐される。その身軽さと悲しさをスズナは知るだろう。その気持ちを、タマキはわか…

女神のささやかな願い / Merciful Goddesses of Retaliation その17

タマキはスズナの方を見つめた。そして静かに話し始めた。「夢見心地で、地上に訪れる信者の話を聞きながらいつも考えていました。誰かが神の依り代としての役目を担うことにより、地上世界は多くの災厄を避けることができる。でも、誰か一人が犠牲になるな…

女神のささやかな願い / Merciful Goddesses of Retaliation その16

10〜20年程度たったら、身代わりが来るってことになっていたのです。でも、適性があるものはなかなか地上に現れなかった。適性があり本人が引き受ける意志をもっていたとしても、家族が引き留めたりする場合もあったと思います。当然かもしれませんね。こん…

問題意識は変遷しますね

本当は間違っていると思うことがある。一時的なものだって我慢する。我慢しているうちに、それが当たり前になってしまうことがある。価値観が変わってしまうことがある。それは時に、恐ろしいことだとも思う。だから、問題だと思う点は文章の形にしてこっそ…