あなたにとって、私の価値はなんですか?

http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20081104/p1の続き?

27歳未満はお断り。

「そうだね。たとえば、あなたの想定できない理由をもっている可能性もある。そしてあなたを傷つける可能性も無きにしもあらずだね」


「それは私にとってのあなたの行動だっていえることなんだけどさ」と裏の意味も同時に放つ。


「でも、あなたを騙すことによって、私が得るものと失うものがあるわけだよ。それを私だって見積もる。相手がどんな相手かによって、騙すか騙さないか決める。暴力を平気で使うような人を安易に騙さないように、何であれ、力を持っている人を騙すのはリスクが高い。それくらい計算する。というより、投資でも騙すのでも一緒だけど、時間をかけて相手を見積もって賭けにでるわけ」


彼女は言う。
「別に、疑っているわけではないのです。ただ、移ろい易い自分の心と体を防御するためです。ただ、私はあなたが私にたいしてなぜ干渉するのかの理由をうまく掴めないのです。あなたにとっての私の価値は何ですか?」


話していて、私が気が付いたこと。あなたは、私の一部を強く発動させる存在。
でも、そんなこと、言うのは、さすがの私でも、恥ずかしいぞ。それこそ、「応答」から見出して欲しい。


「あなたは先が見通せる。でも、自己の影響、自己の存在を過小評価する性癖がある。自己の存在が環境に影響を与える場合をうまく見積もれない」


私はストレートに答えられなかった。はぐらかしてしまう私の弱さ? でもね、これが私にとってあなたの性質。見ていて歯がゆい性質。


彼女は思いを巡らすように、目を半眼。その点については、おそらく気が付いているのだろう。切ないような悲しいような、嬉しいような、優しいような、泣き出しそうな、笑い出しそうな、何らかの表情へ移行するちょうど間の表情を保つ。もう、なんて表情をするのだろう。


彼女は眉間に少し皺を寄せて、私をキッとにらむような目つきで見つめ言う。
「そう、・・・かもしれませんね。あなたの言う通りかも」


心が引き込まれる・・・、そんな表情をする。私が男だったらおとされていたかも、といけない妄想をしそうになる。


彼女は一般的な基準から言って、格別に美しい人というわけではないけど、・・・と暴走気味。


演技じゃないよね、これが演技だったら無敵だよな、とブチブチと私の幼稚な一部が拗ねている。


相手に気がつかれないように深呼吸。心を落ち着かせる。


彼女は目を瞑る。そして彼女の目から涙が頬を少しだけ伝う。
「『応答』・・・か、・・・なるほどね。その『応答』が理由ではなく、存在の証。それがあなたの説得パターンのひとつ。帰着させるものの順番が・・・私にとっては不満。まあ、いいとしよう。私が持っていて、あなたが持っていないもの。あなたが持っていて、私が持っていないもの。相互補完性・・・。」


もう一度、こっそり深呼吸をした。冷静にならないとね。そして、私は気が付いた。私はいつの間にか、彼女の心に取っ掛かりを作ることに成功したのだと。


彼女は呼吸を制御しようと静かに深呼吸。そして言う。
「あなたが、私に伝えたいことは何ですか?」


コミュニケーションが可能であること。それが、とても嬉しい。とってもとっても嬉しい。私は私の頭が少し熱を持っていることを認識した。別の言い方をするなら、ほわーっとなった。