『呪いの言葉の解きかた』(上西充子)の感想

呪いの言葉の解きかた

呪いの言葉の解きかた

「呪いの言葉の解きかた | 晶文社」
https://www.shobunsha.co.jp/?p=5340


読み終わった。とても面白かった。いつものように感じたことや考えたことを箇条書きで。あと、本の内容とは関係ない自分語りっぽいのもあります(いつものこと)。

  • 昨今の政治状況を考えると読んでいてつらくなる点も多かった。
  • マンガ、テレビドラマ、映画等のエピソードがたくさん使われていた読みやすい。
  • 『逃げるは恥だが役に立つ』(海野つなみ)はマンガで見たことがあったし、例としてわかりやすかった。

逃げるは恥だが役に立つ(1) (KC KISS)

逃げるは恥だが役に立つ(1) (KC KISS)

  • 私が著者のツイッター上での発言を見ているのも、主張が理解しやすかった理由の一つだと思う。
  • ページ当たりの文字の密度はそんなに高くないけど、内容の密度は低くない。
  • 「この本で扱われているのと似たような「呪いの言葉」に晒されることはたくさんあったのではないか?」「「呪いの言葉」を自分自身や他者に無自覚に言い続けて来たのではないか?」と考えながら読んだ。
  • ある種の言葉によって、舞台設定を決められ、その舞台上ではどうあがいてもダメな場合がある。
  • その舞台設定を疑うことが必要で、疑うためには力が必要なのだと思う。
  • この本の中では湯浅誠の「溜め」についても言及されていて、その点も面白かった。
  • 『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』(解説 上西充子, 解説 田中信一郎)も面白かったし、この人の別の本も買ってみたいと思う。

緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」

緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」

  • 作者: 解説上西充子,解説田中信一郎,ハーバービジネスオンライン編集部
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2018/08/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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  • 今の政府の暴挙の数々を、「野党がだらしないから」という言葉(これも「呪いの言葉」だ)で、肯定や黙認している人たちが恐ろしい、と私は思っている。
  • でも、多くの人は、実際の国会でのやり取りをしらないだけで、政府に有利な形で恣意的に報道されたものだけを見て、なんとなく肯定している人も多いのかもしれない。
  • そういう中で著者たちが行っている「国会パブリックビューイング」の取り組みによって、「政府が行っていることや、マスコミの報道の仕方はかなり変だぞ?」と気づく人も増えるかもしれない。
  • 今の世の中には「呪いの言葉」で虐げられている人がたくさんいる。だから、最初に書いたように、悲惨な事例がけっこう出てくるので読むのが苦しくて、何度も読むのを止めてしまった。
  • ただ、つらい事例ばかりではない。呪いを解いて、先に進むための手がかりもたくさん書いてある。
  • 著者自身のつらい体験や、言葉によって救われた体験なども書かれている。
  • 読者が自分自身の過去の体験を思い出したり、我々を取り巻く今の状況を想定しながら、いろいろ考えられる本だと思った。
  • 私は、本を読むときに、自分にシンクロしやすい部分があると、読みやすいと思うし、好きになることが多い。
  • この本は多くの人にとって、シンクロしやすいか?読みやすいか?はよくわからない。でも、私はこの本が自分にシンクロしやすくて、この本を好きになった。自分にとっての多くの未解決な問題を解くきっかけになると思う。
  • 挫折した問題や、進展が無くて気持ちが萎えてしまった問題に、「もう一度取り組もう」っていうエネルギーをこの本からもらえた気がする。
  • 「意義がある問題」であっても過大な労力ばかりでリターンが少ないと、身体も心もついていかない。方法の楽しさ、新しい発見、労力に見合う進捗等があると続きやすい気がする。それらがあると、自分たちの望む未来につながっているとみなしやすい。
  • 自分自身を良い形で駆動してくれる何か?があると、つらい状況でも、私はもう少し頑張れる気がする。