大事な要素を抜き出すというか、抉り出そうとすることが大事なわけであって、パラメータを弄るだけのつまらない作業だと思わないで欲しいのだけど。
何が支配的であると考えるか?とか。通常寄与の小さな相互作用が、無視できなくなる場合はどういう場合なのか?とか。エネルギースケールを考えて・・・。
2007年03月16日頃「下書き」として書いたものを一部抜粋。
- 大学に入った後の物理って、近似計算が多くて、最初は、というか長い間馴染めなかった・・・って思い出した。
- 確からしさの度合い、という概念は、普通の人が普通に使いこなしている概念でもあるけど、そういうのに意識的になったのは大学院で勉強している頃かも。
- 物性の研究においては各種の実験手段を用いてその物質の性質を探っていきます。それは、「歪んだなガラスを覗きこむ」(http://cse.niaes.affrc.go.jp/minaka/files/DAKARA.html)という比喩がぴったりだと思います。私の場合は磁性が専門なので、実験手段としては、X線、磁化、比熱、核磁気共鳴、電子スピン共鳴、中性子散乱、μSR、メスバウアー分光など(他にもいろいろあるけど略)が関係します。一つの実験だけだと、モデル化の際にいくつかの可能性が生じます。それは複数の測定手段を通じて、少しずつ明らかになってきます。
- 実験によって得られる情報は限界があります。いくつものモデルがある中で、最も尤もらしいことを選びます。
- そういうと、やればできる、って印象を受けやすいかもしれません。でも、「あたりまえのこと」か「まったくわけがわからん」ということが多いです。しかし、一見「あたりまえ」であることが、実は当たり前ではないってこともあるし、「まったくわけがわからん」が別の視点からみると理解の手がかりを得ることができることもあります。
- 自分の能力に見合ったそこそこの難易度の研究課題を見出すことは、研究者にとって必要な能力だと思います。職業研究者として必要な能力と言うべきかな。