【寄稿:或る若手研究者からの提言 】野生真敬

例の2700億円の研究費を30人くらいに配るあれに関して。


http://sciencecommunication.tumblr.com/post/181501961

この基金、当初から私の現場の基礎医学の研究者の間では非常に評判が悪かった。一人に何十億も配ってどうするのか。使い切れず、使わない高額な大型機器の購入や、箱モノに使われるのではないか。また沢山の短期雇用として沢山の若手研究者雇われ、そして使い捨てになるのではないか。代表者の共同研究者達に配分されて、現在の特定領域などの研究費と変わらなくなるのではないか。それならばむしろ、若手研究者のポジション支援や、急速に減っている博士過程の学生への人材育成などに使われるべきではないか。大学の運営費交付金の削減や研究費削減で、財政難で喘ぐ研究室は、年間100万円の研究費でも助かる所も多い。一極集中するより、基盤研究などの一般研究費の採択率をあげて底上げすべきではないか。若手の登竜門「さきがけ」でさえ、せいぜい3年で4千万円で、極めて競争率が高い。このようなチャンスを多く作る事こそに使われるべきではないか、等々、現場の研究者、特に若手と言われる世代の意見はこんなものが沢山あった。

多くの研究者が思っている平均的な意見なのではないだろうか?・・・と思いたいところだが、そうでもないのかもしれない。