73. GRAPE-DR 上の LINPACK (2009/11/13)

http://jun.artcompsci.org/articles/future_sc/note074.html

スーパーコンピューター開発は日本の科学技術にとってとっても大事であり、ちゃんと進めるべきであるから見送りとか凍結はおかしい、という意見はまああると思いますが、行政刷新会議の録音とかを聞いてみると結構プロジェクトが迷走した過程等を問題にしていて、そのまま進めるよりは見直すべきでは?という発言がでていることがわかります。

ふむふむ。

ここでも何度も何度も書いてきたことでもありますが、当初の3種混合から途中で1つに絞ろうとしたり(いや、そうではない、とかいう話もありましたが)、結局絞りきれなくて2つになって数年たったあとで、結局ベクトル側が N の経営上の都合とかで撤退という形になったり、と、いうことをやってきた上で、N が撤退したのでもっとお金が必要になりました、という概算要求をだす、という過去の経緯からは、これからマシンを完成できるのかどうか自体が疑われてもしかたがないところとは思います。

確かに。

但し、民主党議員の人、松井さんといったところからは、「世界一である必要はあるのか」という質問がでていましたが、本当に質問するべきことは、「世界一になるのに 1100億どうしても必要なのか」ということであったのではないかと思います。メモリバンド幅やネットワーク性能とか色々考えても、高々 10Pflops に 1100億は 2012年の数字としては高価にすぎ、この性能当りで高いということが日本の計算科学の将来に明らかな悪影響をもつからです。

ここが大事ですよね。1100億円って何だよ、って思うもん。

とは、言うものの、素人目ではよく分からないので、専門家の中にも高すぎ、って言う人がいるんだな、って思いました。

関係ないけど、最近、『 スーパーコンピューターを20万円で創る』(伊藤智義)ISBN:9784087203950だけ再読したら、なんか感動してしまった。装置開発をしている学生に読ませたいよ。