その5 「強い弱い」

25歳以下は読まないでね。

Seiは22歳女、Satoは22歳男、Sonoは25歳女・・・という設定。

Sei:私はまだまだ能力的にも精神的にも弱いと思う。
Sato:どうかなぁ、それは相対的な見方?絶対的な見方?
Sono:要するに、守りたいものを守る強さがないってこと?
Sei:世の中で生きていくためには弱い、って意味のつもりだけど・・・。
Sato:傍から見ていて思うけど、あなたが生きるのに苦労しているとは思えないけどね。
Sono:生きていくだけなら十分な強さを持っているはず。
 ある価値観を守ろうとするから、弱さを感じるのだと私は思うな。


Sei:「守りたい価値」かぁ。・・・私が欲を出しているってことかな。
Sato:高望みするなとは言わないけど・・・。
Sono:そんな弱い言い方じゃ駄目。この人にはこう言わないと通じない。
 「あなたの能力は、あなたの価値を守るには少なすぎる」って。
 そしてね・・・。
Sei:あぁ、もういいよ、後は言わなくても。こう言いたいんでしょ。
 「能力がないなら、せめて努力するべきなのに、ほんの些細な努力さえ厭う」、でしょ?
Sato:努力というのは、「人はどんなことに駆動されるか」と関連があるから興味かあるな。



Sono:自分の力の見極めができず、あきらめるばかり。
 見極めができない理由はわかっているかな?
Sei:「全力をかけて戦っていないから」でしょ?
Sono:私はそうだと思う。
Sato:まぁ、常に余裕を持たせておくのは安全側だ。
 悪いばかりではないけど。
Sei:じゃぁ、問うけど、その「見極め」は「諦め」じゃないって自信を持って言えるの?
Sono:悪いけど、あなたとは比較にならないくらいに見極めている。
 私の「"価値観"と"能力"の差」と、あなたの「"価値観"と"能力"の差」は、
 明らかに私の方が小さいしね。
Sato:もっと夢を持ってもいいんじゃないの?
Sono:運というのはあるけど、自分の努力や能力以上のものを求めるべきではない。



Sei:過ぎた価値観を持つのは不幸なのかな。
Sono:過ぎた価値観なんて持たなければ、自分が満たすことができない基準を以て
 他者を非難したりすることはなくなるかもね。
Sato:100点満点のテストで80点をとれば満足か、100点をとらないと満足できないか?
Sono:その比喩で言うなら私は70点くらいで満足なのだな。
Sato:90点とっても、100点がとれなかったって嘆くのはおかしい。
Sei:それは違う。100点をとろうと思い続けることは意味がある。
Sono:だから、そこがあなたはわかっていないんだ。
 人が投資できるリソースは限られていることを理解していない。
Sato:歴史を紐解けばわかるように、能力が高まると同時に、
 価値観も進歩していると思うな。
Sono:そは面白い観点かな。


Sei:私よりかは見極めているかもしれないけど・・・。
Sono:まぁね。ちょっとはゆらぐものだし、それが悩ましいし、時には楽しい。


Sono:適切な目標設定をできなかったことにより、達成ができないことだってある。
 嘆くのが間違っていて、それは喜ぶべきことだって言う場合だってある。
 あなたに必要なのは、あなたが達成することができる、できるだけ高い目標を認識することだ。
Sato:道筋の明確さというのも必要かも。
Sei:どうせ届かないんだ、って思っていたら、届くものにすら届かないしね。

Sato:私たちは、それぞれ違う価値の継承者なのかな、って思う。
Sono:価値というものをいつの間にか継承してしまうものだと思う。意識的に、無意識的に。
Sei:それぞれの価値に、どれだけリソースをつぎ込むかを考えろって感じのオチかな。
Sono:ある量のリソースをつぎ込んだら、ある量の発展が見込める。
 それを高望みしないでってこと。
 そうすれば、無意味な嘆きからは少しは開放される。
Sei:けっきょく「お前の悩みは無意味だ」って言いたいわけ?
Sono:「そんなのに悩んでいる時間があったらいくらでもやることはある」って言いたいんだ。
Sato:どういう配分にすればいいのかわからない、ってことは悩むしかないんじゃないの?
Sei:うーん、まぁ結局、人それぞれ差はあるものの・・・。
Sato:悩みからは開放されないかな。どうリソースを配分するかも、悩んで解を導くものだし。
Sono:そういうと、定量的には違うものの、定性的には同じだってことになるかなぁ。
 うーん。


Sono:お願いなんだけど、私に話すときは、あなたにとって、そのことがとても
 身近であることを話して欲しい。制御可能であることと言うべきかな。
 地に足の着かない夢物語ばかりはうんざりする。
Sei:夢物語?そこまでひどいことを言ったかな?(笑)
Sono:誇張表現(笑)。
Sato:精神論で終わっていない?
Sei:大丈夫。
Sono:会話をすることに意味があるのは、どんなことが重要であるかという
 「重み付けを変える」ことができることかな。
 そういう意味で、「精神論云々」なんて問うこと自体どうかしていると思う。
Sato:そう、まぁ、なら、いいや。このへんでお開きで。
Sei:うーん、どうも。話すと(問題点が)シフトするからいいね。
Sono:たしかにそうだね。何が問題か?それを正しく認識するのは
 一人で考えているだけだと、なかなか難しいから。