『黄昏の岸 暁の天』(小野不由美)

再読。はぅっ。やっぱり面白いのでした。
中高生向けライトノベル。読書好きな小学校高学年でもOKでしょう。

心の拠所に関する話かも。テーマも良いし、構成も凝っているし。
こういうのをみると、私は小説は書けない、って思うのでした。

浩瀚の台詞。

「結局のところ、その人物の為人(ひととなり)の問題でございますよ。そしてそれは、その者がいかにふるまい、生きているかにかかっているのです。常にそれを問われている。必ず誰かが見ているのですから。そして信ずるに足るものであれば、喜んでその行為に報います。」

戴麒の台詞。

「天を当てにしてどうします? 助けを期待してよいのは、それに所有され庇護される者だけでしょう。戴の民はいつから、天のものになったのですか?」

戴麒の台詞。

「そもそも自らの手で支えることのできるものを、我と呼ぶのではないんでしょうか。ここで戴を支えることができなければ、そのために具体的に何ひとつできず、しないのであれば、僕たちは永遠に戴を我が国と呼ぶ資格を失います」