『水は何にもしらないよ』(左巻健男)

さらさらと一時間半くらいで読了。良い本だと思います。

以下にちょこちょこ引用とコメント。

p.9

そこには日本の教育、とりわけ理科教育の問題も大きいと思います。科学リテラシーを身につけるには、本当に使える精選された知識を系統的に学ぶことが必要です。さらに、そういう知識を頭だけではなく、実際に手や体を動かして実感的に身につけるとともに、学んだ知識を活用する場面を意識的に設けたり、生活や産業と関連づけることが必要です。

こういうのはとっても大変なことで、たいへんリソースを食います。でも必要なことですね。見返りもあると思うのです。



p.63の「クラスター説は科学的に否定されている」で、pHによりNMRの線幅が変化するのですね。初めて知りました。クラスター由来ではないと。

p.65「吸収が良い水は体に悪い」 まぁ、そうでしょうね。

p.71あたりからπウォーターの話。

一番うけたのが、

πウォーターを人工的に作ろうとしても、効果を発揮させる製造技術がまだない」

p.74の本物のπウォーターの性質も凄い。「金魚を入れたπウォーターに青酸カリを入れても金魚は死なない」とか。


p.90
アルカリ性食品は健康にいい」は無根拠

食品の酸性とかアルカリ性というのは、食品そのものが酸性であるとか、アルカリ性であるとかには無関係です。食品を燃やして灰にしたとき、その灰が水に溶けてアルカリ性を示せばその食品はアルカリ性食品、酸性を示せば酸性食品というわけです。つまり、燃えかすの性質を問題にしています、これは、食品が私たちの体の中に入ると、じわじわと燃やされていると考えるからです。

アルカリ性食品の定義ってこんなのだったのですが。びっくりです。こんなことで、体にいいとか悪いとかの話をしていたとは。


p.94から活性酸素の話。活性酸素をなんとかする、って言うのがでたら、かなりの確率で駄目な話っぽいですね。

p.139

カルキ臭は、今まで塩素のにおいと考えられていましたが、実際は原水(水道水にする前の水)に含まれていたアンモニアと塩素がくっついた結合塩素が原因です。

どっかで聞いたことあるかも。