研究者の基本能力 5 "実験遂行能力2 -データに対する価値判断-"

こういうことを考えたり書いたりするのは、教育とか研究が私の興味の一つだからなのでしょうね。1〜4は下記URLからいけます。

1 文献検索 http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20070113/p3
2 実験遂行能力 http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20071020/p1
3 描画技能 http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20080315/p15
4 精読 http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20080328/p2


最近、友尾君にパルス磁場の打ち方とかを教えています。

彼が独立していろいろできるようになると研究室の生産性は上がるでしょう。
(でも、私の自由な研究時間が増えるということはないでしょう。)


やり方だけなら簡単です。もちろん、高電圧をかけるから危険を伴うわけであって、注意を怠ってはいけませんが。

大事なのは、価値判断です。ノイズとみるか、シグナルとみるか。手を抜くべきか、抜かないべきか*1。その種の価値判断を身につけるのは時間がかかるものだと思います。そして、その価値判断は、研究者としての資質の一つであり、個性の一つでもあります。私は、私の方法論というか、私の研究の哲学に基づいていろいろ述べますけど、鵜呑みにしないでいろいろな人から考え方を学んで、自分の頭と身体で考えて欲しいです。

*1:寒剤も時間も労力も全て有限のリソースですので無駄にしてはいけません。特に、誰かと一緒に実験をやるときには重要なことです。修士の学生と実験をやるときは、時給1200円くらいの人件費(安すぎ)がかかっていると思ってやるほうがよいかも。人の時間を使うことは、金を奪うのと似たようなものです。いろいろな要素が含まれるから単純化しすぎてはいけませんが。「価値がある時間を過ごす事」「過ごそうとする事」が人生の全てであるといっても過言ではありません、というと過言かもしれませんが。