『キャラクターをつくろう!CG彩色テクニック 7』(安倍吉俊)

キャラクターをつくろう!CG彩色テクニック 7 (キャラクターをつくろう!)

キャラクターをつくろう!CG彩色テクニック 7 (キャラクターをつくろう!)

p.97

絵を描くためには、日常使う言葉ではなく「絵の言葉」が必要なのではないか、とずっと考えていました。こう書くと、なんだかものものしく聞こえるかもしれませんが、今まで自分が現実のものを観察して得た何か、その時の記憶、感情などを言葉に置き換えずそのまま「絵の言葉」として頭の中に維持して、紙の上で新しい世界として再構成する、という、ただそれだけの事です。

何か作品を作っているとき、その作品の上に見えない神棚を作っているのだ、と思いながら作業をしています。始めから終わりまで手を抜かず、正しい姿勢で作品に向き合い続けられたら、そこに何かが宿るかもしれない。ただ消費され、忘れられてしまうものではなく、見た人の記憶に、大切な経験の一つとして残ってくれるかもしれない。そう願いながら、ひとつひとつの作品を作っています、もちろん、そんな事がそうそう起こるわけではないのですが、だからこそ手を抜かず、少しでもチャンスを増やさなければならないと思っています。


「絵の描き方」の本というより、「絵を描き続ける人生とは?」という感じで、面白いです。


この本を買ったのは、別に絵を描きたいからではなくて、この人の絵が好きだったからですが。