『非線形な世界』(大野克嗣)

非線形な世界

非線形な世界


大変面白い。って、まだ読み中だけど。物理学科の四年生以上だったらだいぶ読みやすいと思う。また、ある程度研究をしている院生及び研究者も楽しめると思う。



第3章のくりこみとか現象論の話が面白い。




・・・



研究を進めていく上での方法論に関して無自覚であることが多いなーって自分自身のこと思う。私の方法論は本当に正しいのか?十分妥当であると言えるのか?についていつも不安に思っている。


学生にアドバイスをするときにとても気をつかう。一見放言ばかり繰り返しているようにも見えなくもない私だけど。説明したことに本当に根拠があったのかな?って自問したりすることだってある。

この本を読んでいて、「この方法にはやっぱり根拠があるんだな」って言えるのがいくつかあって、ちょっと安心した。

あと、研究スタンスそのものにも自信を失いかけてしまうことが頻繁にあるんだけど、やっぱりこれでいいんだなーって思える要素があってちょっと安心した。


下記の本などが楽しめた人はこの本も楽しめるでしょう。
『科学の真実』(J.ザイマン)

科学の真実

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『ボルツマンの原子―理論物理学の夜明け』(デヴィッド・リンドリー)
ボルツマンの原子―理論物理学の夜明け

ボルツマンの原子―理論物理学の夜明け

『部分と全体―私の生涯の偉大な出会いと対話』(W.K. ハイゼンベルク)
部分と全体―私の生涯の偉大な出会いと対話

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『熱力学の基礎』清水明

熱力学の基礎

熱力学の基礎

統計力学 I,II』(田崎晴明)
統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ)

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統計力学〈2〉 (新物理学シリーズ)

統計力学〈2〉 (新物理学シリーズ)

『熱力学―現代的な視点から』(田崎晴明)
熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ)

熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ)

量子論の基礎―その本質のやさしい理解のために 』(清水明)

【追記】
下記の本を忘れていた。下記を面白いと思った人も、面白いと感じるでしょう。。

系統樹思考の世界』(三中信宏)

系統樹思考の世界 (講談社現代新書)

系統樹思考の世界 (講談社現代新書)

『「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用』(アラン・ソーカル, ジャン・ブリクモン)
「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用

「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用

『アナロジーの罠―フランス現代思想批判』(ジャック・ブーヴレス)

アナロジーの罠―フランス現代思想批判

アナロジーの罠―フランス現代思想批判