- 作者: 大鐘良一,小原健右
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/06/17
- メディア: 新書
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http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20100707/p1の続き
p.61
閉鎖環境適応訓練設備か。
プライバシーがほとんどない空間。
宇宙飛行士同士が仲違いしないようにとっても配慮しなくちゃいけないのか、って思った。閉鎖空間だしね。
ここに閉じ込めて、テストをするのね。
p.66にその閉鎖環境適応訓練設備の図面があります。
えっとですね、白状させていただくとですね、なんかめちゃくちゃわくわくしますよね。秘密基地ですよ、気分は。まあ、中に入ってしまうとかなり精神がめいってしまう可能性はあるけどさ。太陽も見ることができないみたいだし。
p.69
何を見る試験か。
端的に言えば、極限のストレスに耐えられるかどうかだ。
こういう試験は珍しいかもしれないな。他にもあるのだろうか。この種のものが。
外とは隔離された、閉じ込められた狭い空間で、出身や専門性、それに年齢も違う9人の「他人」との1週間に及ぶ集団生活。さらに24時間、監視下にあり、言動のすべてが評価の対象になり得るという現実。夢にまでみた宇宙飛行士の試験で最終選抜まで残り、合格は目前であるという大きな期待に伴うプレッシャーも相まって、個人差があるとはいえ、候補者たちには相当なストレスがかかっている
うわあ。確かにね。こういうたたみかけるような文章は面白い。
p.73
候補者たちは、「アクチグラフ」という睡眠の質を測ることができる、小型の計測器をつけて眠るように指示されていた。
これもおもしろアイテムだ。いろいろ投入されている。
p.74
あらゆるスケジュールが15分単位で決められていた。
・・・ぐはあ。これつらい。
p.76-77
に閉鎖環境試験スケジュール表って言うのがあるんですが、これすごいですよ。食事以外にほとんど休みがない。藤澤さんがこの試験うけたら、作業時間のほとんどがスリープモードになっていると思うよ。
p.78
国の代表としての宇宙飛行士という立場か。そういうのもあるんだね。うーん、でもそういう重圧はあると思うんだけど、それにつぶされないで欲しいな。宇宙飛行士であることを充実して過ごして欲しいなって思ったり。
そして、ストレス環境はただのお膳立てに過ぎないようだ。
p.79
ストレス環境下であっても、チームワークを発揮できるかどうか。団体行動における、候補者それぞれの力を見たかったのだ。
これは面白い視点。
JAXAはこれを、"リーダーシップ=leadership"と"フォロワーシップ=followership"と呼び、今回の試験で最も重要な採点基準とした。
リーダーシップね。ふむふむ。だって船長候補を出したいわけだもんね。
フォロワーシップの方は初めて聞いた言葉かも。でも、これが大事だってことはわかるよ。
そして、その両方を兼ね備えていなければいけない理由は。
p.80
「リーダーである船長は、事前に決められています。しかし、宇宙でのすべての活動を、船長がコントロールするわけではありません。任務ごとに、リーダーは替わるからです。つまりある時はリーダーだけれども、ある時はフォロワーにならなければならない。役割分担をしっかり認識して、臨機応変に行動できることが、宇宙飛行士にとっての大切な資質なのです」
この後に、リーダーとして求められる資質として5つまとめられています。なかなか面白いですが、あんまり引用が過ぎるとこの本を読んでもらえなくなるかもしれないので、引用を自重しましょう。興味があったら買って読みましょう。
p.81から「フライング・カー・コーポレーション」という課題が始まります。このテスト難易度高いよ。(>_<)
FCC後半戦。もっと難易度が高い。
ストレス環境で仕事をすることの難しさもこの本では述べられている。
そして自らの精神状態が普段と異なっているときは、それを自分自身で把握して、自ら修正できなければ、勝機は決して見えてこない。
そのような孤立無援の状況に、候補者達は置かれていたのである。
そういう設定だったのですね。
p.96あたりのゼッケン付け間違え事件。ちょっと受けました。