『スピカ 羽海野チカ初期短編集』(羽海野チカ)

スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜 (花とゆめCOMICSスペシャル)

スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜 (花とゆめCOMICSスペシャル)

可愛い子や、可愛い小物がたくさん出てくる。

でも、主題はなんか重いところがある。


「自分の力で生きていく」とかがテーマかも。


「よりよく生きていきたい気持ち」と「目の前にある現実」とのギャップによる葛藤。


『はちみつとクローバー』や『3月のライオン』とかも、恋愛パートがけっこう多いようにも思う。

しかし、この人の作品は、働くこととか生きていくこととかが主眼な気がする。

不安に抗って、努力していくところとか。
先が見えない中で、這いつくばってでも生きていこうとするところとか。

恋愛要素というのは、目的というより、生きていくための手段に過ぎないとも思える。

この、「よりよく生きたい」という気持ちは、何に由来するのか?って考えたりする。

『〈ほんもの〉という倫理―近代とその不安』(チャールズテイラー)を読み直したいな、って思ったり。

関連して下記も。
http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20110223/p1




『はちみつとクローバー』を最後まで読んだときに思ったことの1つとして、
「怖い」
というのがあった。


「一途さ」とか「強い情熱」とか。
「囚われて逃げられない状況」とか。
「創作に関わる渇望」とか。


「恋愛」パートも、面白いのかもしれない。
でも、それだけじゃない。