『異貌の科学者』(小山慶太)

異貌の科学者 (丸善ライブラリー)

異貌の科学者 (丸善ライブラリー)

読了。200ページ強だし、さらさら読めてしまった。引っかかるところは特にないかな。導入として卑近な例がいくつかある気もするけど、それはわかりやすさのために必要なのかも。



ケルビンのところ。ダーウィンとのかかわりがあるとは思わなかった。進化論を古典物理学者として否定していたり。p105の「ケルビンがなくなったとき(1907年)の新しい物理学の旗手となる人々の年齢」がなかなかおもしろいです。

ディラックのところ。巨大数とか聞いたことあるようなないような。対称性に関する話とかは面白いな。美学に関することなども面白いと思う。

アルヴァレズのところ。泡箱作った人でしたか。名前を認識していなかった。恐竜絶滅が隕石のため、って言うのを唱えた人でもあったのですね、他にもいろいろ面白いことをしております。


・・・

やっぱりこの本の中で、キャヴェンディッシュが一番「異貌」って言葉が似合う気がする。この四人以外にもいろいろな科学者が登場して、歴史的なものを知る上でもなかなか親切でわかりやすい話になっていると思います。まぁ、でも科学(物理学)素養がある人向けかな、って気はする。使用される図や絵は歴史的な資料がほとんどかな。物理概念の絵はあまりない。知らない人はわからないだろうなぁ、って思いながら読んだ。私が思うより一般の人の科学素養は高いかもしれないから、これでいいのかもしれないけど。すごい、ってことを説明するのは難しい。この本はいろいろな工夫をしているとは思う。