論文を何故書くのか

上記の話題の続き。一応断っておきますが、ミチオンさんが下記のことを知らないと思っているから書くわけではありません。自分用のメモであるし、それ以外の知らない人が読むことを考慮しています。

『これから論文を書く若者のために』(酒井聡樹)において「なぜ、論文を発表するのか」ということが書いてあります。引用。

p.7

では、知りたいという欲求を満たすために研究している場合はどうであろう。知りたい---、それは多分、あなた自身の知的欲求を満たすことが目的である。ならば、わざわざ研究成果を発表して、他人の知的欲求を満たしてあげる必要もない?そんな暇があったら、次の研究を始めて他の知識を得たい?でもそれは三つの点でおかしい。第一にずるい。あなたは、他の人の研究成果を知って知的興奮を味わっているのに、他の人にはお返しをしないなんて。第二に、ひどい。あなたが論文を発表しないと、誰か他の人が同じ研究を繰り返すことになる。これは、時間と金の無駄だ。他者にそんな無駄をさせてよいのか?第三に、惜しい。あなたの行為は、これから先に知的興奮を味わう機会を自ら潰してしまうようなものだからである。あなたの研究成果には、それに基づいた新たな研究の発展をもたらす可能性があるということだ。誰かが、あなたの研究成果を発展させて、新たなる知的興奮を呼ぶ研究成果を発表してくれるかもしれない。また、そうした他者の研究展開に基づいて、あなた自身がまた何か新しい研究成果を生むかもしれない。しかし、あなたが論文を発表しないことにはこうした発展はない。その後に展開されるであろう、わくわくするような知的興奮を味わうことができなくなってしまう。

他にもたくさん理由はありますが、総じて発表することに価値があるのではないかと。

これから論文を書く若者のために 大改訂増補版

これから論文を書く若者のために 大改訂増補版