その39 「それは、〜に対する抵抗だったと今では思う 4」

・・・そろそろ飽きてきましたかね。23歳以下は読まないでください。

だから、私はその残りのプロセスを静かに見守ればいい。
自分の生(せい)を静かに見守る余裕が最後にあるとは思わなかった。
神様がくれた最後のご褒美だろうか。神様の存在なんて信じていないけど。



彼女は扉の近くまで行き、電灯のスイッチを押す。
僅かな光が部屋を照らす。
彼女は黒い天井を見上げた。


手を照明へ翳す(かざす)。
彼女は自分の両方の手を動かしながらいろんな角度で見ている。
指を微妙に動かしたりする。
次に手をぎゅっと握り、緩める。
目が、節目がちになる。
そして何かを振り切るように、小さな溜息をついた。


今までの自分がしてきたこと・・・、プロセスを考える。
楽しい人生だったのではないかな。
充実していたとも言える。
太く短い人生よりも、細く短い人生よりも、
積分したものが一番大きくなるように選ぼうと思った・・・、なんて。


短い人生からの将来の予測ではあるし、
30にみたない私がそんなことを言うのはいいとしても
その設計自体は妥当・適切ではないだろう。
そういう計画は自分の経験・知識が増えるにしたがって
変更・修正していくべきものだ。


ただ、私はその計画が終わった今でも
自分の計画とその達成に対して満足している。
もし私がこの計画を実行せずに(つまり○を選ばずに)、
残りの人生を使っても今ほどの効果インパクトを持ったことは
残りの数十年の人生ではできない気がする。



彼女は静々と歩いて今度はベッドに腰掛けた。
彼女の重みでシーツにしわが入る。
ベッドの近くのスイッチを押すと照明が落ち、
部屋は暗くなる。