『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』(結城浩)

数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)

数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)

p.14-15

「問題を解くのはたのしいけれど、問題を作るのも楽しいからね。自分が問題を作るとしたら、どう作るだろう、っていつも考えるよ・・・・・・。問題をどう作るかを考えるのは、とてもおもしろい」
「《おもしろい問題を作る問題》は、おもしろい問題ってことだにゃ!」

面白い。面白い問題を作るというのは大変なことだ。

p.68

《要素と集合の関係》と《集合と集合の関係》を混乱しないように。

確かに。


p.81

まちがいが見つかったとき、失敗だと考えて引き返すのが普通だ。しかし、デデキントは失敗ではなく発見だと考えた。(略)

まちがいだ、つじつまが合わない―――そういう事態に陥るのは、これまでになかった概念にぶつかったからだ。失敗だと考えて引き返すこともできる。しかし、新しい発見かもしれないと考えて、さらに進むこともできる。
 概念の拡張では、いつもそういう場面にである。

なるほど。

p.82

概念拡張時の困難―――それは《飛躍前の停滞》なのだ。

あたりの、「負数」「無理数」「虚数」に関する考えは面白いです。

「新しい道へ進むときには、誰でもためらうものなんだよ」

というミルカさんの言葉は物語の後の方でも関係してきます。

p.85-86の参考書の選び方がおもしろいですね。「自分にとっての《わからなくなる最前線》を探そう」という言葉はけっこう身にしみます。


第4章の1=0.99999・・・に関しての書き方は面白いと思う。

p.104-105あたりの言葉に関することは面白いですね。物理学を学んでいることは、言葉を習うようだ、って思うことがある。


p.122

「うまく数式にできれば、数式で解ける問題は数式で解けるってことでしょ?そんなの、当たり前じゃん!」

とユーリは言うけど、これが後の方にすごい関係してくる台詞だとは思わなかった。

p.125-126
《自分の頭で考える》ことの意味について。これも面白い。そして、自分の頭で考える猶予が与えられていることを、私はもう少しありがたがった方が良いと思った。


p.134

「あのぅ・・・・・・意味を考えない事に、どんな意味があるんでしょうか」

の後の台詞が面白い。

p.136

《真である》と《証明されている》は、違う概念

わぁ、これは難しい。

p.182

ε-δなら《無限に繰り返す》という迷宮から脱出できる。

大学1年生の頃の数学は大事だったんだなあ。

p.220
ゲーデル数。なんか凄いことになってきた。


p.290

「テトラちゃんは僕の話を聞くとき、細かく質問してくるよね。《ここがわからないです》って。あれは、とっても助かるよ。あれがないと《わかっているのかなあ・・・・・・》と考えながら話さなくちゃいけない」

これは、人に教えていて思うなあ。


p.295
ミルカさん、熱血少女化してる!




いろんな所でいろんな概念がつながっていて面白い本だと思います。力作。扱っているトピックは比較的理解しやすいものもあるけど、骨が折れる物も多くて、現時点ではかなり未消化ですけど。


いろいろ忙しい中、この本を読もうと思ったのは、新しいことに挑戦する勇気みたいなものを与えてくれる気がしたからです。(逃避行動じゃないよ〜〜)。そして、なんとなく、その目的は達成されたんじゃないかな?って思います。