『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』(大鐘良一、小原健右)の感想4

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20100708/p1の続き。


p.100

その安竹は、2次選抜で優れた成績を収めている。審査委員の中には、「荒削り」とか、他の30代半ばから40代初めの候補者たちと比べて「幼さ」を指摘する声はあった。しかし人当たりが良く、コミュニケーションが的確に取れること、英語力、専門知識、それに健康状態などの成績が総じて優良であったこと、そして何よりも素直であり、向上心に満ちていたことが、審査委員たちに「今後の成長の可能性を大きく感じさせる」と評価させていた。

超ベタ褒め。

でも、なんとなくわかる。

p.100

そして、さらにプラス要素となっていたのは、彼が実務経験の豊富な技術者であったことだ。

そうか、こんな強みがあったんだな、他の候補者と比べて。こういう要素があるのは気がつかなかった。何故、技術者が必要な理由にはいろいろこの文章の後に書いてあります。

また、宇宙飛行士自身が新技術の開発に携わることもあるのね。これも技術者であることは大きな強み。

p.101

新しい技術の開発においても、技術者としてのバックグラウンドは大きな武器になるのだ。
こうした意味で安竹は、宇宙飛行士になる要件を、他の候補者たちに勝るとも劣らないくらいに備えている。

ふむふむ。でも今回は船長を選びたい試験だったんだね。

p102から千羽鶴を折る課題。これは辛い。さっきから、いろいろな人がミスをしているんだけど、そのミスをことごとくやる自信が私にはあるよ。


大西卓哉氏の優れた所に関しての記述はいろいろ考えさせられるな。


p.109あたりの場を和ませる力に関して。
ユーモアとかないな、私には。なんというか、ピンポイント攻撃ユーモアならあるけど。


さて、第3章からはロボット作りになります。これもなかなか難しそう。マインドストームですか。ははは。

p.119

国際宇宙ステーションで暮らす宇宙飛行士たちの"心を癒す"ロボットを作れ」

難易度高!


そして、第1チームは「犬型サッカーロボ」第2チームは「おみくじロボット」を作ることになります。いやあ、なんというか、「おみくじロボット」と聞いてニヤニヤしてしまいましたよ。


そして、ロボット作りで発揮される白壁氏の個性。

p.125
産婦人科医の江澤氏は向井万起夫さんの指導を受けた、とある。これはびっくり。ロボット作りのアイデアもなんか独創的な感じ。

p.129からアポロ13号の話が出てきます。具体的には知らなかったのでいろいろ興味深い。


p.135

すなわち宇宙飛行士は、どのような絶望的な状況であっても、同僚の宇宙飛行士はもちろん、地上にいる仲間に全幅の信頼を置き、冷静さを失ってはならない。そして地上の仲間を逆にいたわるような余裕を見せ、彼らが力を最大限に引き出してくれるよう、出来うる限りの全てのことを、迅速に、そして正確に行わなければならない。最も危機的な状況にある宇宙飛行士こそが、率先して自らの平常心を保ち、どのような状況にあろうともけっしてあきらめないという、"折れない心"を持っていなければならない。


・・・。ええ。まあ。そうなのでしょうね。・・・でも、なんか違和感。

ごめん、なんかこれは、ちょっと話がずれているのかもしれないけど。

人の命とはこんなに重いものだっけ。

なんだろう。なんかよくわかんない違和感があるな。

もちろん、人命は大事なんだけど。

・・・。

きっと、宇宙飛行士の命が大事なだけじゃないんだな。宇宙飛行士という存在には、彼らの命以外のいろいろな何か大事な物が関わっていると思える。

まあ、変な言い方を、下品な言い方に見えるかもしれないけど、すごいお金がかかっている。そのお金は、他にもいろいろ使えたかもしれないお金だ。貧しい人に衣食住をあてがうために使えたかもしれない。だけど、そこを敢えて、人類の未来のためにお金を宇宙に投資するんだね。人々の意志を代表する存在であるからこそいろいろなものを求められているのだな。

p.142あたり。
短時間でロボット作っちゃうなんてすごいな。


p143から中間発表への評価。はっきり言えば、多くのコメントが難癖にしか感じられない。でも、それをどうやって乗り越えてよい作品を作るのかが求められているのだろう。

p.150

実は油井は、審査委員からの講評を受けていたとき、冷静な行動を取っていた。他の候補者達が立ち尽くす中、油井はひとり、柳川氏ら審査委員の予想外の厳しい指摘を、しっかりとメモしていたのである。そして指摘されたポイントの整理は、まさにこのメモに基づいてい進められることになった。

ふむ、これはすごい。こういう資質は必要なのだろう。

そして、文句を言われていない部分は概ねOKだよね、って感じの開き直りが必要な事もあると思うのだ。


p.160あたりからリーダーシップとフォロワーシップについて再び書いてあります。こういうのは面白いですね。組織というものがどういう風にすればうまく機能するかと言うことの縮図でしょう。

p.163
国松氏って、あの「国松警察庁長官狙撃事件」で殺された長官の息子さんですか。これまたすごい人が残っていたのですね。


p.167あたりから、第2チームのおみくじロボットに関して。
なんか、良くわかんないけど、おみくじロボット改善に関して読んでいたらしんみりしてきた。

えっと、まあ、私はおみくじとか引かない人ですけどね。


それぞれのロボがどうなったかは、やっぱり本書を読んでみましょう。それで大事なところはですね・・・

p.176

しかし審査委員達の関心は、結果よりも危機に直面したときの個々の動きにあったようだ。
問題を解決しようとリーダーシップを発揮したのは誰か。そのリーダーを、優れたフォロワーシップで支えたのは誰か。決してあきらめず、周りを励ましてチームのパフォーマンス向上に貢献したのは誰か。

結果ではなくて、プロセスを重視している。こういう評価基準が面白い。


p.177からの千羽鶴に関して。まあ、こういう話は、私は何も言わない方がいい気がします。

取りあえず第3章まで読み終わったよ。だいたい2/3くらいか。


もう少し続きます。
http://d.hatena.ne.jp/sib1977/20100710/p1