法令の勉強 10

  • もう10か。なんというか、今までのテンションで話を続けることに飽きてきた(というか疲れてきた)。
  • 気を取り直して。
  • 第二十条の四(事業の届け出)、第二十条の四の二(承継)、第二十条の五(周知義務)、第二十条の六(方法)、第二十条の七(ガスの種類の変更)は販売に関する話になります。

(販売事業の届出)
第二十条の四  高圧ガスの販売の事業(液化石油ガス法第二条第三項 の液化石油ガス販売事業を除く。)を営もうとする者は、販売所ごとに、事業開始の日の二十日前までに、販売をする高圧ガスの種類を記載した書面その他経済産業省令で定める書類を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

  • 販売するときは、事前に届け出をしましょう、という話です。第二十条の四の二で定義されることになるのですが、このような届け出を行ったものを「販売業者」といいます。ただし書もあります。

ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一  第一種製造者であつて、第五条第一項第一号に規定する者がその製造をした高圧ガスをその事業所において販売するとき。
二  医療用の圧縮酸素その他の政令で定める高圧ガスの販売の事業を営む者が貯蔵数量が常時容積5 m3未満の販売所において販売するとき。

  • こういう場合は、届け出しなくても良いという事ですね。第一号は、言い換えると、第一種製造者が自分達で作ったガスを事業所内で販売する場合は届け出はいらないよってこと。自己完結しているからいいよね、ということかな。第二号は、小容量の場合は無視しようということですね。規制していたらきりがないから。消火器とかカーエアコンとかそういうのです。
  • では、次。

(承継)
第二十条の四の二  前条の届出を行つた者(以下「販売業者」という。)が当該届出に係る事業の全部を譲り渡し、又は販売業者について相続、合併若しくは分割(当該届出に係る事業の全部を承継させるものに限る。)があつたときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、販売業者の地位を承継する。
2  前項の規定により販売業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

  • 第1項は長いのでちょっと省略して書くと

販売業者が当該届出に係る事業の全部を譲り渡し、又は販売業者について相続、合併若しくは分割があつたときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、販売業者の地位を承継する。

  • まあ、こういう感じです。第2項は「遅滞なく届け出が必要だよ♪」という事です。
  • またちょっとまとめてみましょう。

第一種製造者:「合併・分割、相続」有、「譲渡」無、「引渡し」無
第二種製造者:「合併・分割、相続」有、「譲渡」有、「引渡し」無
第一種貯蔵所:「合併・分割、相続」無、「譲渡」有、「引渡し」有
販売業者  :「合併・分割、相続」有、「譲渡」有、「引渡し」無

合併、分割、相続 譲渡 引渡し
第一種製造者 × ×
第二種製造者 ×
第一種貯蔵所 ×
販売業者 ×

(周知させる義務等)
第二十条の五  販売業者又は第二十条の四第一号の規定により販売する者(以下「販売業者等」という。)は、経済産業省令で定めるところにより、その販売する高圧ガスであつて経済産業省令で定めるものを購入する者に対し、当該高圧ガスによる災害の発生の防止に関し必要な事項であつて経済産業省令で定めるものを周知させなければならない。

  • 「販売業者等」=「販売業者」+「事業所内で作ったガスを事業所内で販売している第一種事業者」という感じで良いのかな。
  • 販売業者等は、購入者に高圧ガスの危険性を教えましょう、という事です。
  • ただし書があります。

ただし、当該高圧ガスを購入する者が第一種製造者、販売業者、第二十四条の二第二項の特定高圧ガス消費者その他経済産業省令で定める者であるときは、この限りでない。

  • 売る相手によっては、危険を伝えなくても良いですよ、とのことです。プロに売る場合には、わざわざいうのも変ですよね。次は第2項と第3項。
  • もう少し詳しいことに関しては、一般則の第三八条、第三十九条第一項、第三十九条第二項などに書いてあります。

2  都道府県知事は、販売業者等が前項の規定により周知させることを怠り、又はその周知の方法が適当でないときは、当該販売業者等に対し、同項の規定により周知させ、又はその周知の方法を改善すべきことを勧告することができる。
3  都道府県知事は、前項の規定による勧告をした場合において、販売業者等がその勧告に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

  • 周知義務を怠ると、怒られて晒されます。
  • 次は何かなー。

(販売の方法)
第二十条の六  販売業者等は、経済産業省令で定める技術上の基準に従つて高圧ガスの販売をしなければならない。
2  都道府県知事は、販売業者等の販売の方法が前項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、その技術上の基準に従つて高圧ガスの販売をすべきことを命ずることができる。

  • もう、みなさん(?)いいでしょうが、高圧ガスを使って何かしようとすると、「技術上の基準」に則る必要があるのですね。一般則第四十条にいろいろ書いてあります。保安係員になる人にとっては大事でしょうね。そのうち読むかな。
  • 第二十条の七

(販売をするガスの種類の変更)
第二十条の七  販売業者は、販売をする高圧ガスの種類を変更したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

  • はい、もう分かってきましたね。「ガスの種類の変更」という言葉に反応できましたか?(←誰に言ってるんだ?) 遅滞なく届け出です。