- 作者: 太田浩一
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2009/10/01
- メディア: 単行本
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p.57
レントゲンの業績には相対論の検証となる実験も含まれているのである。X線の発見があまりにもセンセイショナルだったために他の業績が忘れられているが、レントゲンは物理の基本的な問題に取り組む誠実な物理学者だった。レントゲンの元で学位を取ったヨッフェに葉書で「私は貴君に、センセイショナルな発見ではなく、真面目な科学的研究を期待しています。」と書いた。
p.62
「運動による電場」はガリレイ変換で導けるが、「運動による磁場」はローレンツ変換によって導かれる純然たる相対論的効果である。レントゲンが観測した「運動による磁場」は一八七八年のロウランドの実験と並んで電荷の運動が磁場の源になることを示している。レントゲン自身、X線発見よりこの研究の方が価値があると思っていた。
こういうの面白い。