「散歩して気が付くこと」(『にびねこらむ』 No. 10)

「なにか価値のあるものに変換できる?」(『にびねこらむ』 No. 9) の続き。

 結婚前は徹底的にインドア派だったわたしだが、結婚後はそこそこ外に出るようになった。夫婦そろって元気なことはあまりないので、あんまり長い時間外出はできず、せいぜい近くをお散歩する程度である。多少元気があれば、鉄道で数10分移動して、その場所からお散歩を開始する。1泊2泊してどこかに旅行する元気があれば良いのだけど、そういう元気は残念ながら、今後はないと思われる。
 散歩で見るものと言うと、生物を気にすることが多い。鳥、猫、犬、虫、魚、植物、菌類等だ。普段目にしないものを見かけると楽しい。街並みも気になる。建物、道路、橋、塔、川、坂等。歩いていて楽しい街と、面白みのない街との違いは何だろうって考える。朽ちた建物があるところもあるし、高級そうな建物、狭い敷地の3階建の建物が密集している場所、素敵なお庭が見える建物、いろいろだ。整理された区画より、古くて狭い道を通るのが面白い。
 給水塔みたいなものがあったり。公園があったり。おいしそうな食べ物屋さんがあったり。アクセサリ屋さんがあったり。
 古くからある商店街を見るのも楽しい。東京にはけっこう古くからある商店街が残っているようだ。普通のスーパーでは売っていないようなものが買えることがある。そういう商店街もチェーン店の率が多く感じるが、近隣住民にとっては便利だろうし、否定したいわけではない。
 話は少し変わるが、panpanyaという漫画家の作品を、わたしも配偶者の人も愛読している。虚実混じった不思議なお話が多い。街を散策しているお話もけっこうある。街の何気ない物から、妄想を広げていて、なんというか着眼点というか観察力が凄い。
 さて、何故いきなり漫画の話をしたかと言うと、同じ漫画を読んでいると、街を歩きながら、「panpannyaの漫画で見たやつだ!」みたいに話題ができることがあるからだ。フィクションの力で、現実のお散歩がより楽しくなることもあるんだな、って思ったのだった。

 

(次回更新は2024年9月23日)→ 「遊び」(『にびねこらむ』 No. 11)

 

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